佐藤理人 14年1月18日放送
Tilemahos Efthimiadis
フィリップ・スタルク①「ジューシー・サリフ」
レモンしぼりだと思うなら、
レモンをしぼるがよい。
1991年、糸井重里のキャッチコピーとともに、
その物体は西武百貨店のポスターに現れた。
巨大なレモンの種を逆さにしたような金属と、
そこから伸びた3本の長い脚。
ニューヨーク近代美術館における最高傑作であり、
プロダクトデザイナー、フィリップ・スタルクの名を
一躍有名にした
ジューシー・サリフ
漫画に出てくる宇宙人のようなその姿は、
「機能とデザインの調和」などという言葉では
言い表せないほど驚きに満ちていた。
こんなレモン絞り器なら、
毎日でもレモンを絞って飲んでみたい。
そう思わせる力がその外見にはあった。
生活にデザインが合わせるのではなく、
デザインに合わせて生活が変わる。
それこそ、優れたデザインの力。