佐藤理人 14年1月18日放送
kartellpeople
フィリップ・スタルク③「引退」
私がデザインしたものは
全て不必要だった。
そう言って6年前、
世界で最も愛されているデザイナーのひとり
フィリップ・スタルクは引退を宣言した。
自らを
クリスマスプレゼント専門のデザイナー
と自嘲する彼にとってデザインとは
「人々への奉仕」だった。
デザインなんてなくても誰も困らない。
だからこそ彼は見た目だけでなく、
機能性や価格にこだわった。
そこには、
趣味がいいだけの仕事をするな
という父親の教えがあった。
引退を決意した理由はわからない。
しかし65歳の誕生日を迎える今日も、
彼は精力的にデザインを続けている。
破られてうれしい約束もある。