茂木彩海 14年1月19日放送


しで
誕生にまつわる話 幸田文の種

 心の中にはもの種がぎっしりと詰っていると、
 私は思っているのである。
 ものの種が芽に起き上がる時のちからは、
 土を押し破るほど強い。

幸田文、「崩れ」の一節。

40代で「種」を見つけた彼女は、
父の露伴を看取ったのち、文壇デビューを果たす。

種から発芽し、土を押し上げる誕生の瞬間に、
人は新しい自分を見る。

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