三國菜恵 14年1月26日放送
nakimusi
はじまりの言葉 阿久悠
1971年にヒットした
尾崎紀世彦の『また逢う日まで』。
この曲の作詞を手掛けた作詞家・阿久悠は
歌のなかで男女の新しい別れのかたちを
描けないかと模索していた。
当時、別れの歌といえば、
別れたら最後、二度と会うことのないかなしみを
描くばかりのものだった。
けれど、阿久は、
男と女が話し合い、納得しあって、二人で出ていく
そんな新しい別れのかたちをこの歌詞で提示できないかと考えた。
そうして生まれたのが、この一節。
ふたりでドアをしめて
ふたりで名前消して
その時心は何かを話すだろう
別れてはじめて知る、始まりがある。
この新しいパターンの別れの歌は
尾崎紀世彦の朗々と力強い歌声と
晴れ晴れとしたラッパの音とともに
日本中に届けられた。