Brian Sawyer
寒さとあたたかさについて 三國万里子
毛糸を操る編み棒は
たえまなく動き、
ひとつひとつ編み目を重ねていく。
毛糸は手袋になり、マフラーになり、セーターになる。
ほとんどの洋服を機械が作る世の中になっても、
ひとは毛糸の手編みにぬくもりを求める。
そこには、手仕事でしか出せないあたたかさがあるから。
編み物デザイナー、三國万里子は、自らの仕事をこう語る。
春、夏、秋とニットを編みためて、冬になったら短期間のお店を開いてそれを売る。
とてもシンプルな、まるで「かさじぞう」のおじいさんのような仕事。
寒い冬に、ひとをあたためる。
シンプルな仕事は、とても大事な仕事なのだ。