阿部広太郎 14年2月23日放送
ラザフォード・オールコック
江戸時代、
富士山にはじめて登った、
外国人がいた。
イギリス外交官、
ラザフォード・オールコック。
私は富士山に登るつもりだ。
日本に着くなり幕府に申し出るオールコック。
しかし幕府は、日本人の神聖な山だからと猛反対。
その反対を押し切り出発するオールコック。
直前に交わされた日英修好通商条約。
「外国人が日本国内を許可無しに自由に旅行できる」
この項目をアピールするデモンストレーションだったのだ。
麓から8時間。
空気の薄さや足場の悪さに苦しみながら
山頂にたどりつくオールコック一行。
すばらしい眺めを前に、
山頂の万年雪で冷やした
シャンパンで乾杯をしたという。
オールコックはきっと、
条約のことなんて
忘れていたに違いない。