【丹尼斯®】
からだの話 谷川俊太郎
だれかにやさしい言葉をかけてもらうと、
肩の力がふっと抜けたり、
からだがあたたかくなる感覚がある。
人のからだは、
毎日いろんな言葉をきいて
その波動を感じているのだろう。
詩人、谷川俊太郎は、
「さようなら」という詩の中で
寿命をまっとうする時の
からだへの想いをこう綴る。
心臓さんよ どきどきはらはら迷惑かけたな
脳髄さんよ よしないことを考えさせた
みんなみんな悪く思うな
君らあっての私だったのだから
迷惑かけたな よしないことを考えさせた…
心当たりのある言葉たちが、
胸にぎゅんぎゅんしみこんでいく。
いま、こうしている瞬間も、
愚痴のひとつもこぼさずに
ただもくもくと働きつづけてくれている
自分のからだに、感謝したい。