佐藤理人 14年4月12日放送
Insignifica
ヘンリー・ダーガー② 「アウトサイド」
芸術を世間の評価や値段で判断する人に
ヘンリー・ダーガーの良さはわからない。
「非現実の王国で」という名の通り、
彼の絵には様々な異形の生き物が登場する。
極めつけは、男性器を生やした裸の少女たち。
私は少女の姿をした少年、
少年の体をした少女であり続けたかった。
ダーガーは男女の性差を知らなかった。
いや同性愛者だった。そんな議論は無意味だ。
正式な美術教育を受けてない人による芸術を
アウトサイダーアート
と呼ぶ。
それは常識の檻から脱出した人だけが、
見ることを許された新しい世界の景色。
アートの外側にいるのは
きっと私たちの方だ。