阿部広太郎 14年4月13日放送
大塚岩次郎と明治天皇の革靴
明治維新後、14歳にして上京。
日本人に合う西洋靴をつくりたい。
その一心で大塚商会を興した大塚岩次郎。
ある日、紳士が岩次郎に靴の修繕を依頼。
イギリス製の靴を見るなり岩次郎は紳士に懇願する。
同じ靴を新たに作って納めるからその靴を分解させて欲しい。
西洋の靴を知るなら今しかない。
常識外れの申し出を拒否する紳士。
それでも諦めずに懇願した結果、
紳士は渋々承諾せざるを得なかった。
靴を分解し、調べ上げ、新品を届けた所、
紳士はイギリス製にも優ると絶賛する。
実はこの人、宮内省の長崎省吾氏であった。
これが縁となり岩次郎は日本人として初めて
明治天皇の革靴製作を拝命する。
若き青年の靴作りへの情熱を、
日本中が知ることになったのだ。