松岡康 14年4月27日放送
樽の中の哲学者
今日、4月27日は哲学の日。
その変わった生き方と深い思想から
狂ったソクラテスと呼ばれた
古代ギリシアの哲学者ディオゲネス。
ディオゲネスは欲望から解放されて自足すること、
動じない心を持つことが重要だと考え、
暗闇を恐れず、おいしいものを食べたいとも言わず、
ただ走りまわるネズミの生き方に共感したという。
彼は大きな樽を見つけ、そこに住み、
まるで野良犬の様に広場でメシを貪り食った。
変人にも見えるディオゲネスだが、
古代ギリシア人にはカリスマ的な人気があった。
彼は言う。
つねに死ぬ覚悟でいる者のみが、真に自由な人間である
自由を突っ走るディオゲネスは、
人類最古のロックンローラーだったのかもしれない。