礒部建多 14年4月27日放送
Robert Snache
夜空と哲学者
今日、4月27日は哲学の日。
「万物の根源は水である」と唱えたことで知られる
記録に残る最古の哲学者、タレス。
古代ギリシアの名家に生まれ、
幼い頃から様々な才能に恵まれたタレスは、
天文学が好きで毎夜、空を見上げては星を観察していた。
ある日、夜空に夢中になるあまり、
タレスは溝に気づかず落ちてしまう。
通りかかった女性は、その姿を見て
「学者は遠い星のことはわかっても、自分の足元のことはわからないのか」
と笑ったという。
それでもタレスは、夜空を見上げた。
そして後に、世界で初めて日食の存在を
予測したと言われている。
足元ばかり見ては、何も生まれない。
タレスが、いつもそうしていたように、
たまには春の夜空を見上げて、歩いてみよう。