Norihiro Kataoka
「長新太」ナンセンス
ナンセンスの絵本作家、長新太。
彼の絵本を見て、なんで子どもが喜ぶのかわからない、
という母親がいっぱいいるという。
たまに自宅にまで電話がかかってきて、
「動物の色が普通と違う」と言われることもあった。
彼は、絵本はお母さん方にわからなければいけない、という。
子どもの本は、お母さん経由で子どもに届くことが多いからだ。
ぼくの本がわからない、というお母さん方が、
こわいわけよ。
それは、ぼくの絵本が子どもに届かないことになるし、
もっと言うと、ナンセンスとかユーモアを、
おとながわかりにくくて、子どもに届けない、
ということになる。
ところがほんとうは子どもの方がすぐわかっちゃうわけ。
長新太のナンセンスは日常的なものではなく、
抽象であって、シュールレアリズム的なナンセンスだ。
理解するのではなく、楽しむものである。