Pensive glance
100年の一滴 榛名由梨
昭和49年の秋、
ある舞台が、社会現象になった。
宝塚歌劇「ベルサイユのばら」。
オスカルに抜擢されたのは、49期生の榛名由梨だった。
どちらかというと地味な男役だった榛名は、
この舞台をきっかけに、トップスターにのぼり詰める。
そして、多くのトップのように、
王座に君臨したとき、
引退することを考えてしまったそうだ。
宝塚歌劇は、今年で100周年。
彼女がトップスターだった8年間は、
宝塚が最も輝いた時代のひとつだった。