茂木彩海 14年5月18日放送
学びの話8 ハックルベリー・フィンの冒険
長い教育の中で、
私たちの「学び」は、気づかぬうちに
「義務」に近づいてしまったのかもしれない。
知らない知識に出会ったら、学ばなくちゃ。
偉い人の話を聞いたら、学ばなくちゃ。
本を読んだら、学ばなくちゃ。
そんな習性を見抜くかのように
『ハックルベリー・フィンの冒険』の冒頭、
著者のマーク・トウェインはこんな警告を出している。
この物語に主題を見出そうとする者は起訴される。
教訓を見出そうとする者は追放される。
プロットを見出そうとする者は射殺される。
夢中で文字を追い掛け、想像し、没頭する。
そういう学びの方法もあると、
この本は教えている。