Anny Chien 簡安妮
レンジの流儀①「レッツプレイ」
鏡の中の自分が、
本当の自分とは限らない。
俳優石橋蓮司に
そう教えてくれたのは勝新太郎だった。
役をどこまで深く理解できるかこそ
役作りだと頑なに信じていた石橋。
役の解釈をめぐって
監督とケンカになることも
珍しくなかった。
自分が思う自分と、世間が期待する自分。
その間で彼は揺れた。
世間が俺を見る目はこうなんだということを
ムキになって否定せず受け入れていこう。
勝の助言に素直に従った石橋は、
その後、演技の幅を大きく広げた。
彼はそのときのことを
役を遊べるようになった
と笑う。
そういえば劇は英語で「プレイ」という。
偶然でしょうか。