佐藤理人 14年5月24日放送
tokyoform
レンジの流儀②「演じない演技」
演技が上手い役者は演技をしない。
嘘だと思うなら石橋蓮司に聞いてごらん。
役作りなんかしてません
そう言って笑うと、彼はこう付け加える。
役は自分の一部です
警察官だからマジメとは限らないし、
殺人鬼だから素敵じゃないとは限らない。
どんな善人の中にも悪人が住んでいる。
彼は自分の中にあるいろんな自分を
意識的に強めることで役を自分に引き寄せる。
職業や肩書ではなく、人間を見る。
技術ではなく、自分自身で勝負する。
そんな彼にもひとつだけ苦手な役がある。
それは、サラリーマン。
確かに、本音と建前を
器用に使い分ける「自分」は、
彼の中にはいなそうだ。