雨の季節に マンダン族の雨乞い師
19世紀のアメリカ。
画家のジョージ・キャリントンは
先住民に伝わる雨乞いの風習を見ようと
ミズーリ川の上流に住むマンダン族を訪ねた。
村の青年から選ばれる雨乞い師は、
一日祈りを捧げて雨が降らないとその職を解かれる。
初日、2日目、3日目の青年は失敗に終わった。
そして4日目の朝、稲妻が描かれた盾と弓矢を持った青年が現れた。
朝から呪文を唱え続けた夕方、にわかに黒い雲が湧きあがる。
その雲を見るや、青年は、
「マンダン族の頭上とトウモロコシ畑に雲の中身をぶちまけるのだ!」
と言って矢を放った。
やがて、静かに雨が降りだした。
雨は深夜まで続き、村のトウモロコシ畑は乾きから救われた。
青年は雨乞い師としての能力を認められ、村を救った名誉を手にした。
これは、この体験からキャリントンが得た雨乞いに関する教訓。
マンダン族が雨を降らせようとする時、失敗することは決してない。
なぜなら、雨が降り出すまで絶対に儀式をやめないからだ。
なお、マンダン族では一度雨乞いに成功した者は、二度と雨乞いをすることはないという。