三國菜恵 14年6月22日放送
雨の季節に 大正時代の中央気象台
マイクテスト。マイクテスト。本日は晴天なり。
テスト放送のことばとして
「本日は晴天なり」というフレーズが
大正十四年、中央気象台で採用された。
当時英語圏でテスト放送に使われていた
「It’s fine today.」を直訳して
日本の放送に採用しようという流れからだった。
しかし本来英語圏では、
母音、子音、破裂音
放送テストに必要な発音のすべてが
「It’s fine today.」に含まれていたことから採用されたのだが、
「本日は晴天なり」というフレーズは
その条件をクリアできていない。
それでも、このフレーズは多くの人に愛された。
雨が降ろうが降るまいが、
「本日は晴天なり」。
外来語が急激に入ってきた大正時代。
きちんと役に立ったかはわからないけれど、
カラッと明るいマイクテストのことばがうまれた。