ふたつめの人生 新村出(しんむらいずる)
明治生まれの言語学者、新村出は
広辞苑を編纂した人物として知られている。
東京帝国大学助教授を経て
そののち、京都帝国大学の教授となる。
言語学講座を28年にわたり担当した。
そして第二の人生では、さまざまな肩書きを並べる。
日本言語学会会長、
大東亜学術協会会長、
全国図書館大会名誉会長、などなど。
しかし当の本人は、平凡な人生を強く望んでいた。
こんな一句が残っている。
小器われ 晩成もせず 永らえて 凡器を抱き 安らかに生く
自分が思うよりも、偉くなりすぎてしまった人。