澁江俊一 14年7月27日放送
生物学の原則
今日7月27日は、政治を考える日。
かつて政治の原則とは、
まったく違う原則に従って行動した
ひとりの政治家がいる。
社会の習慣や制度は、生物と同様、
相応の理由と必要性から発生したものであり、
無理に変更すれば大きな反発を招く。
現地をよく知り、状況に合わせた政治をおこなうべき。
それが「生物学の原則」。
彼の名は、後藤新平。
岩手に生まれ、医者から政治家になった男だ。
後藤の最初の大きな業績は、台湾の統治だった。
はじめに現地の法制度や風習を徹底的に調査し、
住民の反発を最小限にしながら、
平均寿命がわずか三十歳だった当時の台湾に
農業技術を普及させ、伝染病を減らし、
鉄道や道路やダムをつくった。
それはいわゆる植民地支配のイメージとは
かなりちがったものであり、
現地では今も高く評価されている。
「生物学の原則」
いまこそ多くの政治家に、
もう一度思い出してほしい原則だ。