松岡康 14年7月27日放送
ケネディが敬愛する侍
今日7月27日は、政治を考える日。
1961年、第35代米国大統領に就任したジョン・F・ケネディは、
日本人記者団から「日本で最も尊敬する政治家はだれか」
という質問をうけ「上杉鷹山(ヨウザン)です」と答えた。
上杉鷹山は江戸時代中期に米沢藩を治めた大名だ。
17才で藩主となるが、当時、米沢藩は財政が破綻し、
土地は荒れ果て、廃虚のような家々が並んでいた。
そんな中、彼は改革に踏み切った。
自らの生活費を1500両から200両にまで減らし、
刀を鍬に持ち替えて土地を耕し始めた。
やがて彼の改革に共鳴した下級武士達が
自ら荒れ地を開墾して新田開発に取り組みはじめ、
家臣の妻子も養蚕や機織りに携わった。
改革は次第に大きな成果を挙げるようになった。
改革をはじめて18年。
35才の若さで、前藩主の息子治広に藩主の座を譲った。
その際、鷹山は息子をこう戒めた。
人民の為に君主があるのであり、君主の為に人民があるのではない。
日本にはかつて、世界に誇る政治家がいた。
今の日本、鷹山ならどう改革するだろうか。