大友美有紀 14年8月3日放送
「100年かかる」トーベ・ヤンソン
トーベ・ヤンソンは幼い頃から夏は家族で島に住んでいた。
大人になった彼女が見つけた自分だけの島は「クルーグハル」。
フィンランド湾の沖合に浮かぶ小さな島だ。
電気も水道もない、島を一周するのに数分しかかからない。
太陽が水平線上に昇ると起きだして、机の前に座り、
太陽が波間に沈むと、寝支度をする。
よい芸術家になるには、100年かかるのよ。
島の素朴な暮らしは、
時間とエネルギーのすべてを仕事につぎ込む、
という贅沢を与えてくれた。
いつでも手を動かしていたというトーベ・ヤンソン。
100年を待たずして87歳でなくなった。
でも、よい芸術家にすでになっていた。