2014 年 9 月 27 日 のアーカイブ

名雪祐平 14年9月27日放送

140927-01

本人の証明 ヘンリー・フォールズ

それを証明する、
指紋。

指紋の世界的研究は東京・築地で始まった。

1873年、来日したスコットランドの医師
ヘンリー・フォールズは、
日本人が証文などに自分の指で
拇印を押す習慣に興味をもち、指紋の研究を開始。

集めた数千の指紋は、
すべて異なっていた。
たとえ削っても再生した。
大人に成長しても変わらないことがわかった。

フォールズは、英国の科学雑誌『ネイチャー』に
指紋による犯罪者の個人識別の可能性を発表。

その後、科学的犯罪捜査の方法として
世界中に普及した。

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名雪祐平 14年9月27日放送

140927-02

本人の証明 ジェームズ・ワトソン

あなたはあなた本人ですか?

それを証明する、
DNA。

DNAの二重螺旋構造を発見し、
1962年のノーベル医学生理学賞を受賞した
ジェームズ・ワトソン博士。

分子生物学を飛躍的に進歩させたワトソン博士だが、
その後なぜか遺伝に関する
さまざまな問題発言をくりかえす。

英国サンデー・タイムス紙の
2007年のインタビューでは、有色人種への
差別的考えをもとに、
「アフリカの将来についてはまったく悲観的だ」
とコメント。大問題となった。

世界最先端の研究で知られる
コールド・スプリング・ハーバー研究所から
職務停止処分を受けた。

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名雪祐平 14年9月27日放送

140927-03
chessprogramming.wikispaces.com
本人の証明 無名のエンジニアたち

あなたはあなた本人ですか?

それを証明する、
顔。

個人を識別する顔認識システムの先駆者は、
ウッディ・ブレッドソーら数人のアメリカの
エンジニアだった。

1964年から1965年、そのミッションは
世の中に公にされることはなかった。
研究資金を提供したのが
匿名の諜報機関だったのだ。

そのためブレッドソーら研究者の名前や功績も
あまり知られていない。

いまではセキュリティの重要な国際空港をはじめ、
スマートフォンの写真アプリ、Facebookなど
身近なところでも、あなたの顔が見張られている。

非常に進んだ顔認識システムでは、
たとえあなたが双子でも、あなた個人をまちがいなく
識別できるという。

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名雪祐平 14年9月27日放送

140927-04

本人の証明 犯人の声を聞いた証人

あなたはあなた本人ですか?

それを証明する、
声。

1932年、アメリカの法定で
人の声の音声鑑定が初登場した。

ある身代金誘拐殺人事件の裁判だった。

殺されたのは、わずか1歳8カ月の男の子、
リンドバーグ・ジュニア。
大西洋横断飛行で多額の賞金を手にした
あのリンドバーグの息子だった。

その裁判で、
「犯人の声を聞いた人物」が証言したことが
音声鑑定の歴史の始まりと言われている。

しかし、声の記憶がどの程度信用できるのか?

息子の死のあとに、法定の論争でも、
リンドバーグは疲れて果ててしまった。

同時代にアメリカ軍の研究機関で行われていた
声の解析・研究が、その裁判で利用されることはなかった。

その後多額の軍事予算が組まれ、
周波数分析装置=サウンド・スペクトログラムの
開発成功など、飛躍的進歩を遂げていった。

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