荒城の月① ~天空の城
「天空の城」といえば兵庫県の竹田城が有名だが、
大分県竹田(たけた)市にある岡城(おかじょう)も
壮麗な天空の城である。
325メートルの山の頂上に切り立つ石垣の上には、
本丸、家老屋敷、神社などがあり、それはまるでひとつの街のよう。
明治時代になって建物はすべてとりこわされてしまったが、
今も空に浮くような美しい石垣の上に立てば、
戦乱の世の武士たちの執念と美意識に胸を打たれる。
少年時代を大分ですごした作曲家・瀧廉太郎は、
当時訪れたこの城のことを思い出しながら、
21歳のときに名曲「荒城の月」を書いた。