佐藤理人 14年10月5日放送
mhaithaca
私の脚本術⑧「行定勲」
いい脚本とは、ほどほどにダメな脚本のこと。
映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の監督・脚本家、
行定勲は言う。
完璧な脚本からはそれ以上の映画は生まれない。
議論の余地を敢えて残すことで
自分がもっと面白くしてやる
とスタッフをヤル気にさせる。
岩井俊二という偉大な先輩の影に隠れ、
目立たなかったことが功を奏した。
今でも、
自分は何者でもない。
俺の映画なんか誰も何とも思ってない
と思う。だから決して偉ぶらないし、
自分の考えを押しつけない。
いつもの道がある日突然大きく逸れるように、
優秀な職人たちの手で物語を脱線させて欲しい。
彼の映画をいちばん楽しみにしてるのは、
きっと彼自身だ。