道山智之 14年10月26日放送
濱田廣介 7
童話「泣いた赤おに」の作者、
濱田廣介(はまだひろすけ)。
中学時代に、母は弟妹をつれて出ていき、
父は破産した。
親戚から悪者扱いされる父だったが、
幼いころから読み書きを教え、
ほしい本を買ってきてくれた父でもあった。
童話「龍の目の涙」の龍。そして、赤おに。
憎まれ者や、通じない善意への
独特な視線をもつようになったきっかけのひとつは、
この頃の境遇だったのではないかと、
彼の娘が回想している。
家庭を持ってからも、廣介は節分のときに、
「福は内」とだけ言って、
「鬼は外」とは言わなかったそうだ。