Minneapolis Institute of Arts
「父の言葉」絵画修復家・岩井希久子(いわいきくこ)
日本では、まだ数少ない「絵画修復」という仕事。
岩井希久子は36年前に修復の仕事を始めた。
この道を選ぶきっかけとなったのは、
父の言葉だった。
世の中に絵描きは掃いて捨てるほどいるけれど、
修復家はいない。
当時、岩井の父は、熊本県立美術館の建設準備室の室長だった。
ヨーロッパの名だたる美術館を視察し、本物の芸術に触れ、
職人が芸術を支えていると実感していた。
絵描きを目指していた希久子は、画家との結婚を機に、
修復家になることを決意した。