大友美有紀 14年11月2日放送
dugspr — Home for Good
「瓦礫の中から見つかった絵」絵画修復家・岩井希久子(いわいきくこ)
2011年秋、絵画修復家・岩井希久子は、
忘れられない絵との出会いがあった。
小川正明という作家の銅版画。
福島の旅館「朝日館」に飾られていた作品で、
津波の被害にあい、瓦礫のなかから1点だけみつかったという。
それは、泥だらけのまま展示してあり、
何かを悲痛に訴えかけてくるような絵でした。
そして直感的に、このまま残したほうがいいと
感じたのです。
きれいに汚れを落として保存する方法もあったが、
作家も関係者も現状を残したいのではないかと感じた。
悲惨な体験や辛い思いがあっても、
その背景には人の温かさだったり、
ヒューマニズムが潜んでいる。
そういうこともふくめて、辛く苦しい体験は、
伝えていかないといけない。
また、その悲惨な出来事が二度と
起こらないようにするためにも。
岩井のはそう思ったのだ。