道山智之 14年11月8日放送
Indabelle
チャイコフスキー 3
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー。
大好きな妹サーシャの訃報を知ったのは、
指揮者として、カーネギーホールのこけらおとし公演へ向かう
途中のことだった。
アメリカで、故郷よりもずっと熱狂的に
受け入れられたチャイコフスキー。
彼は帰国後、あるバレエ曲を書き上げる。
「くるみ割り人形」。
幼いころ母をなくしたあと、つらいときも
ずっと自分の心のささえになってくれた妹。
彼はその面影を、この兄妹のストーリーの中に
夢のような美しいメロディの糸で織り上げていった。
この曲は、
のちにマイケルジャクソンをしてこう言わしめた。
「いちばん好きなのは、「くるみ割り人形」。
ポップスのアルバムでは当たり曲は普通1曲だけなのに、
あの組曲は1曲1曲すべてがすばらしい。
あんな、1000年たっても聞きたいようなアルバムをつくりたかった。」
ポップで、ダンサブル。
チャイコフスキーの音楽は、国境なんてかるがる超えて、
人の心に入ってくる。