飯國なつき 14年11月9日放送
derekbruff
お風呂② 壇ふみ
女優の壇ふみは、
「風呂がないと、心が荒廃する」という。
彼女がオーストラリアに行った、ある夜のこと。
芯まで冷え切り、お湯につかりたいのに、
高さ二十センチのシャワータブしかない。
そこで彼女は、その二十センチにお湯をためて、浸かった。
刺身に醤油をつけるようにして、全身にお湯をなすりつけた。
湯に浸かる喜びを知らなければ、
そんな苦労も知らずに済んだろうに。
それでも壇ふみは、風呂の幸せについて、こう語る。
背をそらす。腕を伸ばす。
「ああ、いい気持ち」と、お腹の底から言ってみる。
今日の凝りが疲れが、ゆるゆるとお湯の中にとけてゆく。