村山覚 14年11月22日放送
charamelody
織田作之助・いい女とは?
昭和の文豪、織田作之助。彼が三十三歳で亡くなる直前、
東京で太宰治と坂口安吾と座談会をした記録が残っている。
小股のきれあがった女とは何者であるか?いなせな男とは?口説き文句は?
といった四方山話がざっくばらんかつ軽妙に語られた。
いい女とは?という話題になり、太宰が「乞食女と恋愛したい」
坂口が「ぼくは近ごろ八つくらいの女の児がいい」などと
無頼派らしいめちゃくちゃな発言をする中、織田はこのように語った。
「やはり飽くまで背が高くて、痩せてロマンチックだとか…」
これはまさに二年前に亡くなった妻・一枝のことではないか。
織田作之助にとって、妻はかけがえのない存在であった。