2014 年 11 月 のアーカイブ

奥村広乃 14年11月16日放送

141116-07

包容力

許して、受け入れる。
今日は国際寛容デー。

理想の恋人は?と聞かれ、
「包容力のある人」と答える女性は多い。

財津和夫の歌にこんな歌詞がある。

 誰がぬぐうの 君の涙
 誰が許すの 君のわがままを

弱い部分を受け入れて、
わがままを許せる。
包容力とは愛している証。

あばたもえくぼ。恋は盲目。

愛しい人のカワイイ欠点は、
カンタンに許せてしまうから不思議だ。

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奥村広乃 14年11月16日放送

141116-08

ガンディーの過去

許して、受け入れる。
今日は国際寛容デー。

非暴力、不服従によって
インド独立を成し遂げた、
マハトマ・ガンディー。

しかし小学生のころは、
掛け算を覚えられなかったり
ヒンドゥー教の教えをやぶって肉を食べたり、
タバコを買うために召使の財布から
お金を盗んだこともあった。
さまざまな過ちを犯す自分に絶望し、
自ら命を絶とうとしたこともある。

ガンディーはこんな言葉を残している。

 自分自身の誤りは凸レンズをつけて見、
 他人のそれは凹レンズをつけて見よ。

自分に厳しく、他人にやさしく。
それを実践するためには、
自分の弱さや過ちを認める
強い心が必要なのかもしれない。

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佐藤理人 14年11月15日放送

141115-01
Raoul Luoar
007の作り方①「スーツ」

「007」と他のアクション映画の決定的な違い。

それはスーツだ。

英国諜報部員ジェームズ・ボンドの
表の顔はエリート商社マン。
スーツの似合う男でなければならない。

初代ボンドを演じたショーン・コネリーは
スーツを着なれていなかったため、
監督から寝る時もスーツでいるよう命じられた。

セヴィルロウ、ブリオーニ、トム・フォード。
すべてオーダーメイドのクラシック。
ボンド映画は何十年間も観返されるため、
時代を超えて洒落て見えなければならない。

原作者イアン・フレミングは服に興味がなく、
擦り切れた安物のスーツばかり着ていたことは
あまり知られていない。

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佐藤理人 14年11月15日放送

141115-02
Pineapples101
007の作り方②「ガール」

ボンドガールの歴史は、
女性の進化の歴史でもある。

美しくグラマーなだけでなく、
知的でタフな自立した大人の女性。

1962年の初代ボンドガール、
ウルスラ・アンドレスから
彼女たちは時代を先取りしていた。

90年代末より、
ハル・ベリーやソフィー・マルソーなど
有名女優が起用されるようになると、
彼女たちは敵や味方として
さらにボンドを圧倒し始める。

しかし最もボンドを苦しめた女性といえば
この人しかいない。

史上最高齢の72歳で起用された
ジュディ・デンチ。

なんといっても彼女は
ダニエル・クレイグ演じる
6代目ボンドの上司「M」として、
彼を死ぬほどこき使うのだから。

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佐藤理人 14年11月15日放送

141115-03

007の作り方③「ソ連」

冷戦はすぐに終わる

「007」の脚本を書き始めた1959年、
原作者イアン・フレミングは、
諜報員だった自分の経験からそう考えた。

ジェームズ・ボンドの敵役として彼は
いかなる国家にも属さない
架空の秘密組織「スペクター」を作った。

しかし映画が公開された60年代、
冷戦はさらに激化。
ソ連が敵になるのに時間はかからなかった。

その最大の敵の崩壊から約四半世紀。
中東のテロリスト、南米の麻薬王、北朝鮮、
かつての仲間などさまざまな脅威が
ボンドの前に現れた。

冷酷で邪悪な手強い相手は何人もいた。
しかしイデオロギーという鎖に縛られた
悲しい敵はもうどこにもいない。

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佐藤理人 14年11月15日放送

141115-04

007の作り方④「ムーア」

007にならないか

1971年、ロジャー・ムーアの元に
3代目ジェームズ・ボンド役のオファーが来た。

2代目ボンド、ジョージ・レーゼンビーは一作で降板。
ショーン・コネリーの代役は
誰にも務まらないように思われた。

だが彼は受けた。

ローレンス・オリビエの後に
ハムレットを演じた俳優のことを思えば
大したことじゃない

役作りのヒントを彼は原作に求めた。

ボンドは殺しが好きではなかった

これだ。コネリーのボンドは冷酷な殺しのプロ。
なら自分は上品で優しいボンドになろう。

持ち前のルックスとユーモアを生かした
この作戦は大成功。
彼は歴代最多の7作で主演を務めた。

007の武器はたくさんある。
しかし彼を演じる俳優の武器は一つしかない。

ムーア曰く、それは

自分の個性

だそうだ。

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飯國なつき 14年11月9日放送

141109-01

お風呂① 杉滝

吉田松陰の母、杉滝。
嫁いだ先は、極貧の武家だったが、
そんな中でも、彼女は「毎日お風呂に入る」と宣言した。

義理の父から猛反対を受けながらも、

「貧しさのあまり心まで貧しくなってしまっては
 どうしようもない。
 温かい湯につかることで、心まで温もり、
 翌日も頑張る意欲が生まれるはずだ」

と言いはり、お風呂に入り続けた。

滝は、子供たちを風呂に入れるのも大好きで、
吉田松陰が安政の大獄で処刑される前、
一日だけ帰宅を許された際にも、
松陰を風呂に入れ、無事の帰りを祈ったという。

風呂から伝わる母の愛は、
松陰の最後の一日を、きっと惜しみなく温めていた。

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飯國なつき 14年11月9日放送

141109-02
derekbruff
お風呂② 壇ふみ

女優の壇ふみは、
「風呂がないと、心が荒廃する」という。

彼女がオーストラリアに行った、ある夜のこと。
芯まで冷え切り、お湯につかりたいのに、
高さ二十センチのシャワータブしかない。

そこで彼女は、その二十センチにお湯をためて、浸かった。
刺身に醤油をつけるようにして、全身にお湯をなすりつけた。

湯に浸かる喜びを知らなければ、
そんな苦労も知らずに済んだろうに。

それでも壇ふみは、風呂の幸せについて、こう語る。

 背をそらす。腕を伸ばす。
「ああ、いい気持ち」と、お腹の底から言ってみる。
今日の凝りが疲れが、ゆるゆるとお湯の中にとけてゆく。

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飯國なつき 14年11月9日放送

141109-03
bluespuit
お風呂③ 絵本「おふろだいすき」

お風呂嫌いの小さな我が子に、毎晩、ひと苦労。
そんなお父さんお母さんへ、おすすめしたいのが、
絵本「おふろだいすき」だ。

おふろが大好きな主人公の男の子、まこちゃんがおふろに入っていると、
突然、巨大なカメ、双子のペンギン、オットセイ…
いろんな動物がお風呂の中から登場する。

絵本から湯気が立ちのぼるような、
林明子さんのやわらかいイラストとともに、描きだされる空想の世界。
摩訶不思議な物語はどんどん広がっていくが、
最後は、あたたかいお母さんのタオルの中へ到着する。

子供はもちろん、大人だって、
お風呂に入りたくなる一冊だ。

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森由里佳 14年11月9日放送

141109-04

風呂④ 日本初の女性銭湯絵師

日本に3人しかいない銭湯絵師の中で、
唯一の女性、田中みずき。

ある銭湯で富士山の絵を描き終わった彼女は、
オーナーから絵にサインするよう促される。

しかし、彼女は躊躇した。

「描きたいから描くのではなく、
 銭湯の個性につながる空間を作るお手伝いとして描いています。
 最終的には見ている人の絵になってほしいので、
 自分の絵だとは思っていません。」

個性を出すのではなく、
求められるものに応えたいという職人魂。

日本人のこころを癒しているのは、
熱い湯けむりだけではないようだ。

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