Marianne Bevis
言葉2014 ロジャー・フェデラー
「もうフェデラーの時代は終わった」
そんな観客たちの声を、彼は感じていただろうか。
2014年ウィンブルドン。
ピークを過ぎたはずのロジャー・フェデラーは躍動した。
体力が落ちた分は技と精神力でカバーした。
ピンチを何度ものりこえ、進んだ決勝戦。
第4セット。
対戦相手ジョコビッチのマッチポイント。
さすがに、フェデラーもここまでか。
だれもが思った。力の差は歴然に見えた。
けれど、ここからのフェデラーはすさまじかった。
毎日少しずつ何かをあきらめている僕らは、
決してあきらめちゃダメなんだと、
最終セットに突入するフェデラーを見て思った。
表彰式。チャンピオン、ジョコビッチの第一声。
僕はフェデラーのありとあらゆるすべてを尊敬する。
それは場を盛り上げるための
賛辞なんかではなかった。