カルティエ・デザイン①「トリニティとコクトー」
この世にまだない指輪が欲しい
1923年のある日、詩人ジャン・コクトーが
フランスの高級ブランド、カルティエを訪れた。
小説「肉体の悪魔」の作者にして最愛の恋人、
レイモン・ラディゲへの贈り物。
そうして生まれたのが、
クリスマスプレゼントとして
日本でも人気の高い
トリニティリング
トリニティとは「三位一体」のこと。
絡み合う白、黄色、ピンクのゴールドは、
「友情」「忠誠」「愛」を意味する。
しかしラディゲは病のため、
指輪の完成を待たずに
二十歳の若さでこの世を去る。
哀しんだコクトーは
ラディゲと自分の2つのトリニティリングを
終生同じ指にはめ続けたという。