大友美有紀 15年1月4日放送
「郵便事業のスタート」前島密(まえじまひそか)
日本近代郵便の父・前島密は郵便事業が実際にスタートする際、
実は、日本にはいなかった。
従来あった飛脚便をもとに郵便事業を官業として行うことを
建議にしたのち、イギリス出張を命じられた。
前島の外遊中に郵便事業はスタートする。
事業を任ぜられていたのは浜口儀兵衛。
イギリスの郵便事業を調査してきた前島は、
帰京すると浜口にその内容を語ろうとした。
が、浜口は、前島の話に興味を持たない。
当時、国政に関わる人間のなかには、
金銭を扱う業務に抵抗を感じるものもいた。
浜口も、そういった人間のひとりだった。
郵便なんぞはむかしから飛脚がしてきた商売だから、
成績が良ければ、元々通り彼らの営業とさした方が
よかろうと言って居る。
それで私は、自分の外には適任者がいないと思った。
前島は意を決し郵便事業の長官に任ぜられるように請願した。
こうして日本近代郵便の父となったのだ。