2015 年 1 月 10 日 のアーカイブ

佐藤理人 15年1月10日放送

150110-01
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一年の抱負①「村上春樹の早起き」

傑作は朝、生まれる。

作家村上春樹の朝は早い。4時に起き、午前中に執筆。
午後はランニングで体を鍛え、9時には就寝。
彼はこの生活をもう25年も続けている。

 小説を書くには精神力だけでなく体力がいる

デビュー直後、座りっぱなしの毎日で太った彼は
生活を根本的に変えることを決意。
田舎に引っ越し、タバコをやめ、
野菜と魚中心の食生活に変えた。

こんな暮らしにも一つ欠点があると言う。
それは人づきあいが悪くなること。でも彼は言う。

 読者とのつきあいの方がずっと大切だ

さて、新年。
今年の抱負は「早起き」なんていかがでしょう。
思わぬ傑作が生まれてくるかもしれません。

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佐藤理人 15年1月10日放送

150110-02

一年の抱負②「カントの画一性」

 人間の性格は40歳で完成する

ドイツの哲学者カントは言った。

自分にとって何がいちばん自然な生き方か、
人は経験からようやく選べると言うのだ。

彼自身が40歳で選んだのは、
機械のような規則正しい生活だった。

故郷の町からほとんど出ず、
ほんの数時間で行ける海にさえ行かない。

 彼が散歩に出るとちょうど3時半だとわかる

そう噂されるほど判で押したような暮らしを、
彼はそれから40年も続けた。

実はそれは、生まれつき病弱だった彼の、
一日でも長く生きるための必死の工夫だった。

さて、新年。たとえ何歳であっても、
規則正しい生活を始めるのに
遅すぎることはなさそうです。

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佐藤理人 15年1月10日放送

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一年の抱負③「ユングのシンプル」

 もし16世紀の人がわが家を訪れても、
 目新しいものはランプとマッチくらいだ

20世紀スイスが生んだ偉大な精神医学者ユング。

自然の暮らしの中でこそ、
人は本来の自分に戻ることができる。

そう考えた彼は人里離れた小さな村に
電気も電話も水道もない石造りの塔を建て、
生涯をそこで過ごした。

 井戸から水を汲む。薪を割り、食事を作る。
 こういった単純な行為が、人間を単純にする。
 だが単純であることがいかに難しいか!

それは人間の「無意識」を研究し続けた、
ユングらしいシンプルな生き方だった。

さて、新年。たまにはスマホから顔を上げて、
自分とゆっくり過ごしてみませんか。

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佐藤理人 15年1月10日放送

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一年の抱負④「チャイコフスキーの散歩」

 人間には1日2時間の散歩が必要だ

ロシアの作曲家チャイコフスキーは頑にそう信じていた。

もし5分でも早く帰ってきたら、病気になるか、
とてつもない不幸に見舞われるとパニックになった。

ある意味、その妄信は正しかったのかもしれない。
彼の曲はほぼ全て、散歩中に生み出されたものだった。

 曲作りにおいていちばん大切なことは、種、
 つまり曲の中心となるアイデアが生まれること。
 そして種を育むのにいい土壌があることだ。

彼は心身を常にヘルシーな状態に保つことで、
曲の種が伸び伸びと育ち、花開く環境を整えた。

さて、新年。今年こそ運動不足解消!
と誓った人も多いでしょう。

でも人間にとって本当にダイエットが必要なのは、
体より頭の中なのかもしれません。

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