2015 年 2 月 のアーカイブ

熊埜御堂由香 15年2月7日放送

150208-03

名前のはなし 忘れられた日本人

民俗学者、宮本常一(みやもとつねいち)。
1930年代から1981年に亡くなるまで、
日本全国の小さな村々を、歩いてきた。
その距離は地球4周分ともいわれる。

宮本を突き動かしたのは、民俗学とは、庶民の生きた生活を
とらえることにあるという信念だった。
知らない村に出向いては、農作業を手伝い、村の寄り合いに顔をだした。
立ち話をしながら、字の書けない古老の話をきき、その言葉を書き留めた。
橋の下で暮らす牛飼いの色恋の話、
村から村へ放浪しながら生きてきた農民の話。
その内容の面白さは、宮本の創作なのではないかと
疑いがかけられたほどだった。
民俗学の本流ではないと冷遇された時期も、
自分は無名の伝承者でかまわない、そう思い歩き続けた。

宮本が脚光をあびるきっかけになった
著書にはこんなタイトルがつけられている。
「忘れられた日本人」
今でも読みつがれるその名著は、
名もなき人々の足跡に、
忘れ去られない名前を刻んだ。

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熊埜御堂由香 15年2月7日放送

150208-04

名前のはなし 由比ケ浜海水浴場

鎌倉土産の定番、鳩サブレを販売する
製菓会社が、鎌倉の海岸の命名権を獲得した。
名前を募集したら、そのままがいいという声が多く、
そのままにした。

だからきっと、今年の夏も、みんなは
「由比ガ浜海水浴場」にでかける。
場所の名前には、みんなの思い出もたまっていくのだ。

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茂木彩海 15年2月7日放送

150208-05

名前のはなし ミッシェル

 ミッシェル マ・ベル
 なんてすてきに響く言葉
 なんだろう

 アイ・ラヴユー アイ・ラヴユー アイ・ラヴユー
 これがぼくの
 いいたかったこと
 なんどでも いうよ 君がぼくを好きに
 なるまで

1965年。ビートルズが、その甘い歌声で名前を呼んだ女性がいた。
「ミッシェル」。
翌年にはグラミー賞を受賞し、
オリジナル曲で初めて、固有の名前を登場させたと言われる名曲だ。

女性の名前を歌う曲は世の中に数多くあるけれど、
そのモデルが誰なのか、はっきり語られないことも多い。

「ミッシェル」もそんな女性のひとり。

大天使ミカエルに由来しているという、この名前。

名は体を表す、と言うが、
どんな瞳で、何に笑って、どんな風に怒るのか。

名前を聴きながら、頭の中でその輪郭を描いてみるが、
彼女がどれだけ天使に近い存在だったか、については
ポールとジョンだけが知っている。

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小野麻利江 15年2月7日放送

150208-06

名前のはなし ティラミス

日本でも根強い人気をほこる、
イタリアのチーズケーキ、ティラミス。

実はイタリア語で
「私を元気付けて!」という
意味を持っている。

北イタリアのトレヴィーゾという
町のレストランで、
妊娠中の女店主のために
考え出されたという。

卵黄、お砂糖、マスカルポーネチーズに、
エスプレッソ。
お腹の子を元気づけるには、
ちょっと大人な味わいだ。

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小野麻利江 15年2月7日放送

150208-07
663highland
名前のはなし 100万ドルの夜景

美しい夜景をたたえる時に使われる、
「100万ドルの夜景」という言葉がある。
ドルという単位なので、
外国で生まれた言い回しと思われがちだが、
実は日本、しかも神戸生まれ。

1953年。六甲山から見える夜景について
関西電力の副社長が
広報誌に書いたコラムのタイトルに
由来しているという。

さらに驚くべきは、その本当の意味。
「100万ドルもの価値がある夜景」
という意味で使われがちだが、
六甲山から見える神戸の電灯496万個にかかる
1ヶ月の電気代が、
当時のレートでおよそ100万ドルに
なったからだという。

実際に「100万ドルかかっている夜景」だった、
神戸の「100万ドルの夜景」。
時代が進み、1ドル=360円の固定相場制も終わり、
電灯の数も何倍にも増え、
今や「1000万ドルの夜景」なのではとも
ささやかれている。

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大友美有紀 15年2月7日放送

150207-01

「今夜は木星見物」イオ

2015年2月7日、今夜は木星が衝(しょう)となります。
衝とは外惑星が地球を挟んで太陽と正反対の位置に来ること。
晴れている場所では、一晩中、肉眼でもはっきり見ることができます。
天体望遠鏡があればガリレオ衛星も見えるかもしれません。

木星はジュピター。ギリシャ神話のゼウスの英語名。
1610年にガリレオ・ガリレイが発見した4つの衛星には、
ゼウスの愛人の名が付けられています。
一番内側を公転しているのは、イオ。
ゼウスの妻ヘラに使える女神官でした。
イオに夢中になったゼウスは、雲に姿を変え、
彼女と愛を交わします。
そして、ヘラの嫉妬を恐れてイオを白い牡牛に
変えてしまいます。

神話ではイオはヘラに追われ最後はエジプトに逃げのびます。
宇宙では、ゼウスの一番近くで回っているのです。

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大友美有紀 15年2月7日放送

150207-02

「今夜は木星見物」エウロパ

今夜、東南東の空、月の右斜め上あたり、
ひときわ明るく輝く木星がよく見えることでしょう。
ガリレオが発見した木星の4つの大きな衛星には、
ギリシャ神話の大神ゼウスの、愛人の名がつけられています。

ガリレオ衛星のうち二番目に内側を
公転しているのが、エウロパ。
ある時、天から地上を見ていたゼウスは、
海辺で遊ぶフェニキア王の娘、エウロパに
ひと目惚れをしてしまいます。
ゼウスは白いうつくしい牡牛の姿で地上に
降り立ち、エウロパに近づきます。
面白がったエウロパが背にまたがると
牡牛は風のように海を渡り
クレタ島までやってきてしまいます。
そしてゼウスの姿に戻り、おまえは世界一の幸せ者だよ、
永遠に名を残すことになるよ、とエウロパを口説き、
愛を交わし、3人の男の子をもうけました。

エウロパはヨーロッパの語源。
ゼウスの言葉どおりに名を残したのでした。

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大友美有紀 15年2月7日放送

150207-03

「今夜は木星が」ガニメデ

1610年にガリレオ・ガリレイが発見した木星の4つの衛星。
イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。
すべてギリシャ神話に登場するゼウスの愛人の名です。

ガニメデはトロイアの王子、たいへんな美少年でした。
美貌に虜になったゼウスは鷲に姿を変え、
天の国へガニメデをさらってきてしまいます。
そして神の宴席で自分の盃に酒を注ぐ役目につかせます。
この役目は大変名誉なものでした。
本来は娘のヘベの役目だったため、
ゼウスの妻、ヘラは激怒してガニメデを殺そうとします。
愛する少年の命を救うため、ゼウスはガニメデを星に変えました。
水瓶を持った少年の姿が天に輝くことになったのです。

ガニメデは、水瓶座の星として酒を注ぎ
木星の衛星として、今でもゼウスのそばにいるのです。

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大友美有紀 15年2月7日放送

150207-04

「今夜は木星が」カリスト

今夜は木星が、地球を挟んで太陽の正反対の位置に来る夜です。
晴れた場所ならば、一晩中、肉眼でもよく見えるでしょう。
木星はジュピター。ギリシャ神話の大神ゼウスの英語名。
ガリレオが発見した木星の4つの大きな衛星には
すべてゼウスの愛人の名がつけられています。

4つの衛星の中で最も外側を回っているのが、カリスト。
最も美しい女、という意味で、ゼウスに愛された妖精でした。
カリストはゼウスの子、アルカスという男の子を産みます。
ゼウスの妻、ヘラはそのことに気づき、
カリストを熊に変えてしまいます。
森で暮らしていたカリストは、ある日、
立派に成長したアルカスに出会います。
懐かしさのあまり息子に駆け寄ると、
母とは知らず、アルカスは熊に弓を向けます。
それを見たゼウスは、不憫に思い、息子をこぐまに変え、
母子ともども空にほおりあげて、星座にしました。
それがおおぐま座とこぐま座になりました。

ヘラの嫉妬にもひるむことなく
たくさん恋をし、たくさん子をなしたゼウス。
その名にちなんだ木星には、
63の衛星が確認されています。

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佐藤延夫 15年2月1日放送

150201-01

大富豪のマネーライフ ジョン・ロックフェラー

アメリカの石油王、ジョン・ロックフェラー。
世界に名だたる大富豪であり、
保有する金融資産は3400億ドルにも達していた。
だが彼は、節約を愛した。
ウールの手袋が欲しかったのに
間違えて高価な毛皮の手袋を買ってしまうと、
3ドル程度の無駄遣いをひどく後悔したという。
彼のこんな言葉がある。

「私は煙草も紅茶もコーヒーも
 欲しいと思ったことは一度もない。
 なんであれ、欲しくてたまらないと思ったことはない」

無欲の大富豪は、庶民よりも慎ましい。

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