佐藤延夫 15年3月1日放送
人体と会話した男たち ウイリアム・ハーベー
「体の中を循環する血液。そのスタート地点は肝臓である」
「心臓の壁には無数の穴が空いている」
これは17世紀まで本当に信じられていた学説だ。
イギリスの解剖学者ウイリアム・ハーベーは、
それを真っ向から否定した。
彼の血液循環論によると、
血液はポンプの役割を果たす心臓を出発点とし、
動脈から静脈に流れ、また心臓に戻る。
今なら小学生でもわかりそうな知識だが、
そんな学説を唱えたハーベーを
当時の人々は「いかさまの医者」と陰口を叩いた。
真実はいつも困難を伴う。