石橋涼子 15年3月15日放送
旅のはなし メンデルスゾーンの旅する人生
作曲家のメンデルスゾーンは、
19世紀初頭、ドイツの裕福な家に生まれた。
幼いころから才能を開花させ
モーツァルトの再来と言われた。
20歳になると、実家の援助の元、旅に出る。
イングランド、ウィーン、フィレンツェ、ミラノ。
行く先々で刺激を受け、多くの名曲をつくった。
すべてに恵まれているように見えるメンデルスゾーンだが、
ひとつだけ、大きな不安を抱えていた。
彼の一族は突然死する人間が、とても多いのだ。
彼はこんな言葉を残している。
旅を思い出すことは、人生を二度楽しむことだ。
彼は、38年という短い生涯の割に
多くの作品が残っている。
一日をいかに濃密に生きるかに賭けていたからではないだろうか。