伊藤健一郎 15年4月18日放送
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あの頃、あなたに憧れた。(森田一義の場合)
森田一義は、歌舞伎町の小さなバーで、赤塚不二夫に見出された。
お笑いについて、映画について、絵画について、あらゆることを赤塚に学んだ。
赤塚との関係を、森田は振り返る。
私の父のようであり、兄のようであり、
そして時折見せるあの底抜けに無邪気な笑顔は、
はるか年下の弟のようでもありました。
誰よりも慕った赤塚の葬儀で、森田はこんな弔辞を読んだ。
私はあなたに生前お世話になりながら、
一言もお礼を言ったことがありません。
それは肉親以上の関係であるあなたとの間に、
お礼を言う時に漂う他人行儀な雰囲気がたまらなかったのです。
森田の弔辞は、こう結ばれる。
赤塚先生、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
私もあなたの数多くの作品のひとつです。