作家たちの副業⑤ 「フォークナー」
作家ウィリアム・フォークナーの副業は
発電所の管理人だった。
昼起きてから夜勤に向かうまでの数時間を、
若きフォークナーは有効に使った。
そうして生まれたのが出世作「響きと怒り」。
1949年、ノーベル文学賞をもらってからも、
彼の創作意欲はいささかも衰えることはなかった。
私は魂に動かされたときに書く。
そして魂は毎日、私を動かす。
書かずにはいられない。その性こそが才能。
作家たちの副業⑤ 「フォークナー」
作家ウィリアム・フォークナーの副業は
発電所の管理人だった。
昼起きてから夜勤に向かうまでの数時間を、
若きフォークナーは有効に使った。
そうして生まれたのが出世作「響きと怒り」。
1949年、ノーベル文学賞をもらってからも、
彼の創作意欲はいささかも衰えることはなかった。
私は魂に動かされたときに書く。
そして魂は毎日、私を動かす。
書かずにはいられない。その性こそが才能。
作家たちの副業⑥ 「カフカ」
作家フランツ・カフカの副業は公務員だった。
仕事はラクで短く、
実家暮らしで身の回りの心配もない。
しかし彼は不満だった。
時間は足らず、職場は不快で、
アパートはうるさい。
貴重な執筆時間であるはずの夜も、
明日彼女から手紙が来るだろうか、
来るとしたら何時だろうか、
そんなことばかり考えていた。
不眠症のせいで常に不安だったカフカ。
職場にある大きな台車が、彼には、
自分のために作られた棺桶に思えた。
どこへも行けない。何にもなれない。
傑作「変身」は、そんな絶望が生んだ、
やぶれかぶれの願望だったのだろうか。
作家たちの副業⑦ 「クリスティ」
ミステリ作家アガサ・クリスティの副業は主婦だった。
いや、作家こそが副業だったと言うべきか。
書類の職業欄に彼女はいつも「主婦」と書いた。
作家としての自覚どころか、自分の机さえなかった。
だから、取材があるといつも困った。
記者は必ず机の前で写真を撮りたがるからだ。
一体いつどこで書いているのか。
それが彼女の最大のミステリ。
作作家たちの副業⑧ 「トロロープ」
作家アンソニー・トロロープの副業は官僚だった。
郵政省で働くかたわら、
19世紀のイギリスで最も成功した作家となった。
執筆に適した時間は一日3時間
集中力を高めるために
15分できっかり250語書く訓練をした彼は、
自分より時間に厳しい下男が
毎朝5時半に淹れるコーヒーを飲みながら、
出勤前にその日のノルマを書き終えた。
この並外れた勤勉さは
人気作家だった母親の影響である。
彼の母、フランシス・トロロープが
小説を書きはじめたのは53歳。
6人の子供と病気の夫を養うために
お金が必要だったというのがその理由。
彼女は毎朝4時に机の前に座り、
執筆を終えてから朝食の支度をしたという。
まあぽん
空海と桜
真言宗の教えを広めるため、東北地方を巡っていた空海。
岩手山が間近に見える場所で農民たちに説法を始めた。
その後、空海は村人の用意した握り飯を食べて休むと
ここに来た記念として、
桜の枝でつくった杖を地面に突き刺した。
杖はすぐに芽を出し、村人たちは大切に育てたそうだ。
そんな伝説の残る桜は、
岩手県雫石に行けば会える。
その名を、七つ田の弘法桜という。
謙信と桜
越後の春日山城を本拠としていた上杉謙信は、
ひとたび武田氏や北条氏の軍勢が近づくと
手勢を従えて出兵し、激しい戦闘を繰り返した。
初めて群馬の地、相俣(あいまた)を訪れた際、
謙信は手にした桜の枝を逆さに地面に刺し、
「この枝が芽吹けば幸先良し」と
自らの運命を占ったという。
群馬県の天然記念物にも指定されている桜、
謙信の逆さ桜は、赤谷湖のほとりに
悠然とそびえ立っている。
mimin☆
又兵衛と桜
大坂夏の陣に出陣した後藤又兵衛は、
乱戦の中で討ち死にしたというのが通説だが
実は、ひとり落ち延びていた。
そんな伝説が残っている。
頭を丸め僧侶となり、
奈良のとある村で余生を送る又兵衛は
桜を慈しみ、我が子のように大切に育てたそうだ。
後藤家の屋敷跡に今でも残るのは、
樹齢300年を超える枝垂れ桜。
奈良県宇陀市にあるこの老木は、
又兵衛桜と呼ばれ、
毎年、多くの観光客が訪れている。
いなぴょん
政宗と桜
わずか23歳で奥州を制覇した伊達政宗。
初陣を飾ったのは、弱冠15歳のときだった。
戦いには多くの家臣が付き添ったが
戦況は芳しくなく、
たったひとりの家来と敗走する羽目になる。
そして辿り着いたのが、桜の巨木の前だった。
大きな桜の根元には空洞があり、
中に潜み身を隠して敵の目をかわし
九死に一生を得たという。
のちに大名にまで出世した政宗は、
このときの恩を忘れず
家臣を遣わし、桜の保護にあたらせたそうだ。
山形県長井市に立つ草岡の大明神桜は
樹齢1200年。
歴史を一身に背負う風格を持っている。
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