渋谷三紀 15年5月16日放送
青にまつわることがら 青の時代のはじまりとおわり
青は狂気の色。
親友カサヘマスの死をきっかけに
ピカソはキャンバスを青で塗りつぶし、
幾重にも青を塗り重ね、
青い絵を描きつづけた。
いわゆる青の時代のはじまり。
貧困、孤独、絶望。
痛々しいほどの内面の吐露は、
画家の才能を成熟させるために、
あるいは必要な作業であったかもしれない。
そんな青の時代も、あっけなくおわりを告げる。
オリヴィエとの恋をきっかけに、
一転、ばら色の時代へ。
狂気の時代をおわらせたのは、
恋というまた別の狂気だった。