松岡康 15年5月31日放送
化学者の写真館
明日6月1日は、写真の日。
日本で最初に写真館を開いた上野彦馬。
坂本龍馬、高杉晋作、木戸孝允、伊藤博文といった
幕末の日本を動かした大物たちが
長崎にある彦馬の写真館を訪れ、写真を撮った。
彦馬が生きた明治時代。
当時の日本では感光材として必要な
薬品の入手さえままならず
写真を撮るためには、
自分で薬品を精製しなければならなかった。
若かりし頃、
オランダ人の医師の下で化学の知識を身に着けた彦馬。
その知識が写真撮影に活かされた。
彼が撮影手順を記した
「舎密(せいみ)局必携」は、
明治の学制改革まで
日本全国で化学の教科書として使われたという。
彦馬は写真家であると同時に、
化学者だったのだ