磯部建多 15年6月20日放送
David Morimoto
開高健と釣り
「何事であれブラジル人は驚いたり、
感嘆したりするとき、「オーパ!」と言う。」
この一文から始まる、開高健の釣り紀行「オーパ!」。
大河アマゾンで開高は、
まさにオーパ!と発してしまうような魚たちと出会う。
人さえ食べるピラニア、
体重200キロにも達するピラクルー。
美しいホクロのあるトクナレ。
そして全身金色のドラド。
しなる竿。糸が擦れるリール。
釣り上げるまでの一瞬一瞬の興奮や、感動は、
まるで直接語りかけられているかのように伝わってくる。
開高の釣りに思いを馳せるたび、
中国のこんな古い諺が頭をかすめる。
「永遠に幸せになりたかったら、釣りを覚えなさい。」