2015 年 7 月 18 日 のアーカイブ

上遠野茜 15年7月18日放送

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ホームランの話 ベーブ・ルース

「病気の少年のために、野球選手がホームランを約束する」

そんなストーリーの大元となったのは、
メジャーリーグの伝説、ベーブ・ルースだ。

ある日ルースは、病気で入院するファンの少年のため
ホームランを打つことを約束。
試合で見事にそれを果たし、少年を勇気づけたという。

「約束のホームラン」
そう呼ばれたこの逸話には、まだ続きがある。

20年余りが過ぎ、
晩年のルースが病気のため入院していた頃、
たくましい海軍隊員が彼を見舞った。
それは病気を克服し、立派に成長を遂げた当時の少年だった。

人一倍子供好きだったルース。どんなに喜んだだろう。

球史を塗りかえたホームラン王は、
人と人の間にも見事なアーチをかけた。

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福宿桃香 15年7月18日放送

150718-02
kimtetsu
ホームランの話 新井兄弟

阪神タイガースの新井良太は、
同じくプロ野球選手の兄を持つ。

もともと野球を始めたのも兄・貴浩のすすめ。
肩を並べて、ただ一緒に野球をやりたい。
やがてプロでも兄と同じ阪神でプレーするまでになった。

しかし待っていたのは、兄とのポジション争い。
体格もプレースタイルも似ていた兄弟にとって、
一人が活躍することは
もう一人の居場所がなくなることだったのだ。
そのとき良太が出した答えは、
兄と同じファーストから、サードへの守備位置変更。

そして試合に揃って出場するようになったふたりは、
2012年7月29日の対横浜戦で快挙を達成する。
4回、まず良太がバックスクリーンに飛び込む特大3ラン。
そして7回には貴浩がダメ押しの2ラン。
じつにプロ野球史上31年ぶりの
兄弟アベックホームランだった。

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村山覚 15年7月18日放送

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Yasunari Goto
ホームランの話 バレンティン

「ホームランを打つときは、
 ボールがバスケットボールみたいにでかく見えるんだ」

ウラディミール・バレンティン。
カリブ海の小さな島から日本へやってきたその男は、
日本プロ野球のホームラン記録を更新しようとしていた。

それまでの記録は、王貞治・ローズ・カブレラの3人が持つ55号。
記録更新を阻むため相手ピッチャーに敬遠をされるのではないか?
と野球ファンやマスコミは囁いた。

それは杞憂に終わった。

日本のピッチャーたちは、バレンティンと真っ向勝負をし、
前代未聞の60号という記録が生まれた。

ホームランは野球の華、と言われるが、
男のプライドを賭けた真剣勝負こそ、野球の華である。

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藤本宗将 15年7月18日放送

150718-04

ホームランの話 藤村富美男(ふじむらふみお)

かつて「物干し竿」と呼ばれた長いバットで
ホームランを量産した打者がいた。
ミスタータイガースこと、藤村富美男。

ヒントにしたのは知人に誘われたゴルフだった。藤村曰く、

「長いものでシバいたほうが、
 遠心力があるからよく飛ぶだろうと」

しかし、理由はもうひとつあった。

「川上の赤バット、大下の青バットという時代。
 拮抗してなにか特徴のあるバットはないかいな、とね」

そんな目立ちたがりは、
選手兼監督になってからも変わらなかった。

1956年6月24日の対広島戦。
1点ビハインドで迎えた9回裏2死満塁の場面で
3塁コーチについていた藤村は、球審にこう告げたのだ。

 「代打、ワシ!」

スタンドの観客は大喝采。
そして打席に入って3球目。藤村の物干し竿が一閃すると、
打球はレフトスタンドへと消えていった。

それは日本球界史上2人目の代打逆転サヨナラ満塁本塁打。
そして、藤村にとって現役最後の本塁打。
ショーマンシップあふれるプロの生き様は、
最後の最後まで派手だった。

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