村山覚 15年7月18日放送
Yasunari Goto
ホームランの話 バレンティン
「ホームランを打つときは、
ボールがバスケットボールみたいにでかく見えるんだ」
ウラディミール・バレンティン。
カリブ海の小さな島から日本へやってきたその男は、
日本プロ野球のホームラン記録を更新しようとしていた。
それまでの記録は、王貞治・ローズ・カブレラの3人が持つ55号。
記録更新を阻むため相手ピッチャーに敬遠をされるのではないか?
と野球ファンやマスコミは囁いた。
それは杞憂に終わった。
日本のピッチャーたちは、バレンティンと真っ向勝負をし、
前代未聞の60号という記録が生まれた。
ホームランは野球の華、と言われるが、
男のプライドを賭けた真剣勝負こそ、野球の華である。