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夏の風物詩 鍵屋
その昔、大和の国は篠原村に、弥兵衛という男がいた。
子どものころから火薬についての素養があったそうだ。
志を立て、故郷に別れを告げるときも
携えていたのは花火の筒。
江戸に向かう道すがら、花火を披露しては旅費を稼いでいたという。
やがて日本橋横山町に小さな店を構えると、
弥兵衛の確かな細工の花火は飛ぶように売れた。
弥兵衛の名前は、鍵屋として代々受け継がれていくことになる。
花火は夏の風物詩。
今年も日本中の夜空に、
大輪の花が咲くことでしょう。