高阪まどか 15年9月13日放送
Jean Francois Beausejour
エディー・ジョーンズ 自主性
「趣味は日本人観察」と、公言するオーストラリア人がいる。
日本人の強みも弱みも知り尽くす、
ラグビー日本代表監督、エディー・ジョーンズだ。
彼が指揮をとるチームは、日本中から集められた精鋭ぞろい。
しかし、世界の強豪から見れば、体格も、パワーも、そしてスピードも劣る。
体と体がぶつかり合うラグビーで日本人は圧倒的に不利と思われていた。
しかしエディーはいう。
「体の小ささなど、私は一度も問題にしたことがない。
それより、自主性に欠けていることの方が深刻だ。」
彼は、選手たちの「自主性」を引き出すため、
思いつくと、すぐに練習を止め、選手に向かい、
なぜそのプレーをしたのか、選手自身に考えをとことん聞く。
さらにミーティングでは、
通常コーチが行う「戦術の説明」を、選手に任せることすらある。
幼少期からの日本の教育の中で選手達が不得意としていた、自己主張。
それを引き出された日本代表チームは、
体格のハンデをものともせず、初の世界ランクTop10入りを果たした。
誇り高きサムライを育てるエディーのリーダー論は、
スポーツ界からビジネス界に至るまで多くの注目を集め、
最強の組織をつくる教訓となっている。