澁江俊一 15年10月04日放送
装丁の真相
日本を代表する辞書、広辞苑。
その編纂者は新村出(しんむらいづる)。
明治9年の今日生まれた言語学者である。
装丁を担当したのは
出と親交のあった画家・安井曾太郎(やすいそうたろう)。
広辞苑の背表紙には、
不思議な浮き出し模様がある。
「水辺に立つ鳥」「池に睡蓮」など諸説あるが、
安井が模様の真相を語ることはなかった。
しかしこの浮き出し模様のおかげで、
広辞苑を持つ時に指がかかり、
とても持ちやすい。
パリに学び、
日本ならではのリアリズムを目指した安井。
そこまで考えての模様だったのだろうか?