佐藤延夫 15年11月1日放送
よくわかっていない 木村荘平
幕末から明治に活躍した実業家、木村荘平。
牛鍋屋「いろは」で一世を風靡したことから、
またの名を、いろは大王という。
身長170センチ、体重90キロ。
当時としては大王のような巨漢の持ち主でもある。
14歳で家出し、相撲部屋に入門。
その後すぐに連れ戻され、
青物問屋、お茶の貿易商などを始めるも、どれも失敗。
たまたま開いた羊肉屋すらうまくいかなかったが、
羊から牛に変えてみたら、これが大当たりだった。
そして牛鍋屋「いろは」日本初のチェーン展開が始まった。
第一いろは、第二いろは、と店が増えるごとに番号をふっていったが、
店長を任せたのは、自分の愛人だった。
つまり女の数だけ支店が増えていく。
しかも愛人の両親が健在なら、番頭や女中として雇っている。
支店は最大で22店舗にもなったというが、
木村荘平亡きあと、養子が後を継ぐとわずか数年で没落してしまう。
その理由は、よくわかっていない。